「授業ノートを美しくとる」はひとつのスキル

さて、今回は「授業ノートを美しくとる」というテーマです。
といっても、美しい授業ノートをつくるための方法というよりは、美しくとることの利点についてお伝えする、という方が正確かもしれません。成績が良い子は必ずノートがきれい、とか、賢い子ほどノートの取り方が上手などということはまったくありません。ましてや、逆もありません。
私個人の意見ではなく、教え子たちのノートを見て、膨大な数でデータを取った結果の話です。これらのことに結局ほとんど相関関係は見られませんでした。

ではなぜこのテーマで話をするのかというと…、授業ノートを美しく取ることにメリットがあるからです。いえ、もっと言うともはやこれは一つのスキルです。後ほどお伝えしますが、やがてこのスキルはテスト直しの方法にもつながっていくのです。
それでは、まず「授業ノートの美しさ」についてお伝えしましょう。

美しいノートとは

美しいと言っても、字がきれいで図も上手く、とてもカラフルで派手やか、という意味ではありません。美しい完成品を作ろうと思ってとるノートは、どこか見る人を喜ばせることやあるいは「きれいに書いた」という自己満足が目的になっています。無駄にたくさんあるマーカーの色分けなどはその代表的なものです。それらを作るのに大変な労力や時間が必要になります。
しかしそのノートを復習で使うか、と言われると…使わない人がほとんどではないでしょうか。
時間をかけてかけて作るそんなノートに価値はありません。

美しい授業ノートとはまとめノートとは違います。美しい完成品をつくろうと思わなくていいのです。
授業を受けながら常に、「なんでも書き込もう」「これは何だろう」という気持ちを持ち、ひっかかったことをどんどん拾ってノートに書いていくことが大原則です。
その中でいくつかのルールをご紹介しましょう。

まずは、中学生の授業ノート画像をご覧ください。

実際に、中学生の生徒が学校で提出してめったに取れない最高ランクを取ったときのものです。決して派手でもこれ見よがしでもありません。シンプルに内容が見た人に伝わりますよね。一目見ただけでその説得力は感じるはずです。

人を納得させる技術は社会に出たときにとても、とても役に立ちます。
それはプレゼンテーションという形で人に伝えるものですが、わかりやすいプレゼンテーションとはどういうものでしょうか。

それは「見やすい」です。

視覚に訴えるものである以上、最大限見やすくすることが求められます。つまり授業ノートは見やすくあることがひとつの重要ポイントです。そのために必要なものが

「スペースをあける」です。

非常にシンプルですね。シンプルすぎてどうすれば良いかわからない人も出てきそう(笑)なのでもう少し具体的に深堀りしてみましょう。スペースを空けると言っても、なんでもかんでも空ければよいというものではなく、ここで大切なのは2つのポイントです。
①行を空ける
②エリアを分ける

①は、行と行の間を空けるだけです。これは、ノート自体を見やすくする効果のほかに、あとから気づいたことを書き込めたりするためです。そうすることによって繰り返し見たり使うノートになっていくのです。よりオリジナルなノートになっていくのです。そうすると、テスト前などは何度も見直せる代物となっていきます。何度も見直せば、どんどん自分なりに改良が進んでいきます。この積み重ねが、自分の成績だけでなく、見る人に深い納得をもたらすのです。つまり、提出物としてもベストなものになるということです。

②はちょっと分かりにくいですよね。
見やすいプレゼンテーションというのは、必ず大項目、小項目ごとに分けてあります。
大項目1⃣で原子について書いたあと、隙間を空けずにすぐに大項目2⃣で分子について書くと、非常に見にくいだけでなく、混みあった見た目によって、あとで見たり書き込んだりする気が失せてしまいます。
つまり、ジャンル・単元・項目別に書くエリアを分けるということです。分け方は、できるだけ線を引いて分けるのではなく、空間を取って「ゆとりのあるノート」に仕上げるのが良いでしょう。
以下のものは高校生のノートです。

美しく授業ノートをとるメリット

当然、提出する必要があったときには間違いなく高い評価を得られるものになるでしょう。それによって、モチベーションも上がり、より改良を加え、試験勉強をする際の協力な味方になります。このことは、勉強のやり方自体をも大きく、大きく変えることになるかもしれません。
しかし、それだけではありません。

「見やすい」授業ノートを作るために必要な、エリアに分ける力というのは、頭の中のロジックを整理する力に他なりません。それは、物事を内容ごとに分離、整理整頓するものです。
どんな応用問題も、基礎となる因数の掛け合わせです。その因数ごとに分けて考える分離思考ができれば、複雑な問題も単純化して考えることができるでしょう。それは社会人になっても大いに必要とされる力です。もちろん、ノートを美しくとる義務はまったくもってありません。とらなくともできる勉強法は山ほどあります。
しかし、美しいノートをとる力が身につけば、とてつもなく大きな「スキル」が手に入ることでしょう。それはあなたの人生をより豊かなものとしてくれるかもしれません。