すべての学習の根本は「言語化すること」

さて、今回は小学校中低学年でやるとよい勉強、というより学習の基礎作りといった方がよいでしょう。もちろん受験するしないに関わりなくぜひやっておいた方がよいものです。

ただし、すべての学習の根本は「言語化すること」です。
これから挙げる内容は、ただ体験するだけでなく「言語化すること」で、脳の発達にも、大きな影響を与えます。

例えば、幼児教育によくあるパズルを例にしましょう。
パズルをしてものすごく脳の発達に効果が見られる子と、まったく見られない子がいます。
どうしてそのような差が生まれるのでしょうか。
これこそまさに言語化してパズルの試行錯誤を行ったか、が関係しています。
ただ何も考えずに適当にパズルをはめていき偶然完成できたのと、「ここにこれを入れると別のところでこのパーツが足りなくなるから、これは使えないな」と言語化して試行錯誤し完成させたのとでは、得られる能力に天と地ほどの違いがあるのです。言語の力、ひいては国語の力がこのように大きな差を生むのです。

それでは、今回はランキング形式でいきましょう。

第5位「料理の手伝いをさせる」

まず第5位は「料理の手伝いをさせる」です。
実際に2008年慶応義塾普通部で以下のような入試問題が出ています。

カレーを作る手順について、ア~オを調理する順にならべかえる問題です。
(ア)水を入れて煮る。 
(イ)カレールーを入れて煮込む。 
(ウ)野菜と肉を食べやすい大きさに切る。 
(エ)バターでいためる。 
(オ)ご飯の上に盛り付ける。
他にも、タマネギの断面を図に描く問題も出ています。南山中学女子部では、ピーマンの断面を描かせる問題も過去には出ています。
世の中の料理を日ごろされる保護者であれば、難なく答えられるものでしょう。

しかし、ほとんどの子どもは経験していないため、まったく答えられません。下手をすると、フライパンに油をひくことすら知らないのです。カレーに限らず、料理というのは段取りが必要な作業です。その料理を手伝わせることによって段取りを覚えたり、段取りを考えたり、なぜその順番で調理するのかを考える習慣を持たせることがとても重要です。
卵焼きを作るのもシンプルですが、とても良いですね。
卵の卵白部分はタンパク質ですから、これらが熱で変性する様子を生で見られる経験をしておくと、後々タンパク質を覚える際の重要な基礎になります。

タンパク質であるメレンゲにレモン汁を入れたり、料理酒を入れるフランベなど、料理は化学であふれています。だからといって具体的な知識を教える必要はありません。
子どもの好奇心につながるフックをたくさん用意するのです。
そうすることで、後で学習をした際に「ああ、あのときやっていたのはこういうことだったんだ」というひらめき体験ができます。
脳科学的にいうと、これは「アハ体験」といい、今まで分からなかった、できなかったことが一つのことをきっかけに急に理解できることです。このとき、脳の中では、神経細胞である大量のスパイン細胞が枝分かれし、スパイン細胞同士をつないでいきます。これによって、頭の中の思考回路の高度な運用化が可能になっていきます。
…というとものすごく分かりにくいので、簡単に言いましょう。

つまり、「ああ!なるほど!」と思うことで頭が良くなる現象のことです。
なるほど、につながる行動をしましょう、という訳なのです。

第4位「旅行の段取りを手伝わせる」

第4位は…「旅行の段取りを手伝わせる」です。
実は、旅行は認知症予防に効果的な一つなのだそうです。
なぜかというと、脳が活性化するから、なんですね。
たくさんの新しい世界を見たり、新しい出会いや経験が脳の海馬(記憶をつかさどる部分)を刺激し記憶力も向上します。そして世界は広いことを認識し、日常から離れてリラックスもできます。

その旅行の段取りをさせることで、段取りを考える力がつきます。もちろん、予算や時間、移動範囲など複雑な条件がたくさんありますから、
「〇〇時~〇〇時までの間△△付近にいる予定なので、その時間の行動を段取りして」というふうにお子さんにお願いしてやらせてみるのが良いでしょう。
様々な場所や移動手段、距離を調べることで、たくさんの知識が身に付きます。
同時に、それらの情報を順番に整理して旅行の段取りをするととても頭を使いますね。
地図アプリで、「今、〇〇あたりを南に走っているよ」などと画面を一緒に見て、今どこにいて、どこへ向かって進んでいるのかを伝えてあげることも重要です。
そういったことから方向感覚なども養われていきます。

もう一つ、旅行に行くならばぜひセットで重要なことがあります。
それは、「自然にたくさん触れること」です。
実は子どもは空間把握能力が育っていません。公立中学校の技術科で、一点~三点透視図法、等角図、キャビネット図などを習うのもこのことが理由ですが、写真を見てそれがどのくらいの広さや奥行きがあるかなどの想像ができないのです。
特に現代の子ども達は、昔の子どもに比べて外で遊んだり、自然と触れ合う機会が極端に減っています。そのため、空間の大きさなどを認識する能力が著しく低いと言われています。
自然にたくさん触れることで、空間を把握する力がついてきます。

同時に、「手で自然を触ること」をさせてあげてください。手の平というのは膨大な数の神経が集まっています。手は第二の脳、と言われるほど重要な部分で、絶対に手のひらにはメスを入れてはいけない、と言われるほどです。つまり、外部の様子を探る非常に優秀な感覚器官なのです。
手は、使えば使うほど脳が刺激され、発達していきます。タブレットでいろいろと操作を覚えていくことは大事だと思いますが、まだ頭が発達し切っていない小学校中低学年であるこの時期こそ手を使って字をたくさん書くというのは大事なことなのです。字を書くだけでなく、例えば旅行で川に行けば、同じ冷たさでも川や石のそれは違うということや魚や昆虫を捕まえたときの感覚、土をさわったり木の手触りなど学べるものはたくさんあります。こういった経験や感覚が後に学ぶ言葉とのつながりをスムーズかつ強固なものにしていくのです。

第3位「家庭での会話」

第3位は「家庭での会話」です。
これは、まず主語と述語を明確にして話をするというものです。
「だれが何をした。理由は〇〇。だからどう思った」というように、言いたいことを整理して人に伝える練習を日常的にすることで、コミュニケーション能力が劇的に上がります。
頭の中で、単語がぐちゃぐちゃに渦巻く(カオス状態といいます)状態から、整理整頓された状態になります。

これが、ものごとを、直感や感覚ではなく言葉を使って論理的に考える力につながります。
別のブログ(「賢い子に育てる家庭での会話」)で詳しくご紹介しているので、ぜひそちらをご覧ください。
賢い子に育てる家庭での会話【愛知県日進市香久山の国語専門個別指導塾】 – 国語・化学専門 個別指導 修英塾 日進校

長々とお読みいただきありがとうございました。
今回は第5位から第3位まで掲載しました。続きは次のブログを楽しみにお待ちください。