言語能力を高く育てるために
突然ですが、お子様ときちんと会話をしていますか?
小学生に限らず、中学生、高校生のお子様がいるご家庭で私が知る限り、きちんとした会話がなされている所は非常に少ないのではないでしょうか。
「いや、ウチは毎日話している」
「子どもがうるさいくらい話しかけてくる」
などと、言われる方もいるかもしれません。
ここでいうきちんとした会話というのは、「正しい日本語を使った双方向の言葉の応酬」なのです。
つまり、一方的に片方だけが喋っているとか、文章ではなく単語が飛び交っている、感情的な言葉ばかりが飛び交っている、などのいびつなものではなく、お互いに意見を言ったり、言いたいことを丁寧に汲み取ったりすることなのです。
なぜこんな話をするのかというと、別のブログでも書きましたが、国語力というのは、ほぼ家庭環境によって決まります。遺伝の影響はほとんどありません。
そしてその家庭環境とは、「きちんとした会話」がなされている環境のことです。
こんな日常のさりげない場面があるとしましょう。
小学生のお子さんが迎えにきた母親と話をしています。
子「今日、Aちゃんが楽しいこと言ってたんだよ」
母「へぇ、何を言っていたの?聞きたい」
子「福は内〜、豆は外〜だって、豆は外に投げるから。ふふふ」
母「それは確かに面白いね。けれど、楽しいじゃなくて面白い、ね」
いかがでしょうか。こういう保護者のいる家庭で育つ子どもは言語能力がとても高く育ちます。
① 保護者が言葉に厳格であること
② 頭ごなしの否定はしないこと
③ 子どもに多く話をさせること
この3つはとくに子どもの国語力を上げる上で、欠かせない要素なのです。
①は、保護者が言葉の意味をファジーに捉えるのではなく明確に把握し、子どもに正しい言葉の使い方を教えることです。また、文法にも厳格であるべきです。それによって、家庭の中で、言葉を厳格に捉える習慣ができるのです。
②は、非常に多くのご家庭で見られる会話です。大人の否定が子どもにとっては思ったよりダメージが大きく、否定をしているとだんだん話をしてくれなくなります。
そして、困ったことに、保護者は意外と自分が子供を頭ごなしに否定していることに気付いていなかったりします。
自我が目覚めてきた子どもにとって、頭ごなしの否定は屈辱的です。やがては口を聞いてくれなくなったり、口を開いても単語でしか話さなくなります。
そんな我が子を見て、「そんなふうに育てた覚えはない」と嘆く方を多く見てきました。
否定はせず、安心して会話ができる環境が、子どもの言語脳を育むのです。
③は、多く話をさせることによって、言語脳をどんどん活性化させることができます。
そのためには、よく話を聞く姿勢を常に持っておくことです。
賢く育てる家庭での会話ケーススタディ
それでは、国語力を上げる日常生活のワンシーンを例にケーススタディをしてみましょう。
子「今日、学校でいやなことがあったんだ」
母「何?」
子「わりこみされてむかついたの」
母「どこで?」
子「鉄棒で、大放課のときにA君が」
母「誰か他に並んでいたの?」
子「うん。鉄棒で回ってたら、B君が入ってきて」
母「A君じゃないの?」
子「いや、A君が鉄棒で回ってたらB君が無理矢理同じ鉄棒で回り出したの」
母「わりこみされたのはB君じゃないの?」
子「だからそう言ってるじゃん」
このような、ちょっともどかしいやりとりは、小学生高学年であっても、いえむしろ中学生であっても経験があるのではないでしょうか。
こういうことが重なると、保護者は子どもの話を適当に聞いてしまうようになります。
子どもの方も「どうせまともに聞いてくれないから」と成長とともにだんだんと話さなくなります。
このようにして言語脳の発達が阻害されていく子ども達をたくさん見てきました。
これを改善していくことで、「伝える力」が大幅に変わります。
上記の会話も先述した3つのポイントを押さえていくと以下のような話し方になります。
子「今日、学校でいやなことがあったんだ」
母「へぇ、何があったのか最初から聞かせて」
子「大放課のとき、A君が鉄棒で回ってたらB君がわりこんできて」
母「うんうん、それでどうしたの?」
子「鉄棒がせまくなって」
母「回るスペースがせまくなって、だね」
子「そうそう、回るスペースがせまくなって、鉄棒から落ちて足をすりむいたの」
母「誰が落ちたの?」
子「A君が」
母「なぜあなたがいやな思いをしたの?」
子「だって、B君謝らずにそのまま他の子たちとげらげら笑ってたんだよ」
母「あなたは正義感があるね。それは大切にしてね」「今のを誰にでも伝わるように
最初から並べて言ってみようか」
ぜひご家庭でも言葉に厳格な環境を作ってみてください。