●「人間の尊厳のために」という教育理念

本校は1948年に設立されたカトリック系のミッションスクールです。一学年の定員が約200名の小規模な学校で、中学生と高校生の関わりが深い学校です。校風は自由です。その中で、強い責任感と広い教養を身につけることが、高い人格形成に必要であるという校訓があります。高い人格形成とは、相手の心を読み取り、推し量り、思いやれるということです。それを「尊厳」と呼び、尊厳を守ることをとても大切にしている学校です。進学実績についても、全国最難関大学に多数合格しており、医学部医学科への進学も多い学校です。

 国語算数社会理科総合
受験者平均点83.895.3124.8116.7420.6
合格者平均点105.7131.7148.4136.9522.8
合格者最低点59.3%
(「南山中学女子部HPより抜粋)

受験者684人 合格者192人 実質倍率(受験者数÷合格者数)3.56倍

【2023年度】受験者平均109.3点、合格者平均130.2点、合格最低得点率62.1%
【2022年度】受験者平均115.3点、合格者平均138.0点、合格最低得点率67.8%
【2021年度】受験者平均104.0、合格者平均126.5点、合格最低得点率59.9%

●随筆の傾向と対策

本校は、広い教養、高い人格、強い責任感を校訓としているだけに、教養についてはもちろんのこと、共感の大切さやいのちの重さなどのテーマが入っている随筆が入試問題に多いのが特徴です。随筆というのは、筆者が実際に体験したことを元に考えや感じたことを述べた文章のことです。実は、随筆を出す学校は少ないので、かえって南山中学女子部への対策はしやすいのではないかと思います。今年度は外山滋比古の文章から出ており、2021年度にも同一筆者で出題されています。

合格者平均点をみると、2021年度は200点満点中126.5点、2022年度は138.0点、2023年度は130.2点でした。やや難度に隔年現象がみられ、今年度は少し簡単になる予想もありましたが、105.7点と例年にない高難度となりました。国語が苦手な受験生にとって、かなり苦戦を強いられたのは想像に難くありません。

では、どのような部分が受験者にとって正解しにくかったのでしょうか。一つ目は、「テーマ」です。2024年度は「ことばの慣用」でした。算数が苦手な子どもが、計算と聞いて拒絶感をあらわにするのと同じ様に、国語が苦手な子どもは、往々にしてことばに対してネガティブな印象を持っていることが多いため、このテーマには苦労したのではないでしょうか。

ただし、テーマの如何に関わらず、随筆では、必ず「筆者の体験」と「筆者の主張」をチェックする必要があります。選択肢についても、一つに絞りにくいため、感覚ではなく文章のどの部分を指しているのか探し出し、選択肢との照らし合わせを正確に行うことが求められます。

二つ目は、おそらく配点が高いであろう約100字の長文記述です。昨年度出ていた20〜30字の記述に比べて、相当負担が大きいのは確かです。ましてやテーマが分かりにくければ尚更です。ちなみに、「ことわざの味わい」とはどのようなことだと筆者は考えていますか、という問題でした。

しかし、長文記述といえどもそれほど恐れる必要はありません。なぜならば、「どのようなことだと考えていますか」という問題は、本文中にある言葉を使ってまとめるタイプのものだからです。「〜のようなこと」と簡潔にまとめた部分を探し、その上に具体的事例や筆者の主張を本文中から抜き出して上乗せしていくという手順を踏んでいけば、100字は割とすぐ埋まります。ですからここでもやはり、「筆者の体験」と「筆者の主張」をきちんとチェックする必要性が浮き彫りになってきます。

50分という決して長くない入試時間の中で、本文を読んで内容を掴み、正しい場所にチェックした後、選択肢との照らし合わせを素早く正確に行わなければなりません。記述問題以外でどれだけミスなく点を取れるか、記述問題にどれだけ時間を割けるかが重要になってきます。

本校を受験する子どもにとって、本校の入試問題はそれほど難度が高い問題ではありません。「正確に解く」ということを常に意識することが大切なのです。

●物語文の傾向と対策

物語文については、論説文よりも難度は低く設定されています。むしろ、文章中の言葉を正確に辿れば、選択肢問題において間違えることは少ないでしょう。文章自体も難しいものではなく、非常に読みやすくなっています。

記述についても、非常に素直な問題ですので、慌てず論説文の記述と同じように、必要な言葉を探して下から組み上げていけばさほど困ることはないと思います。