「人間の尊厳のために」という教育理念

本校は1948年に設立されたカトリック系のミッションスクールです。一学年の定員が約200名の小規模な学校で、中学生と高校生の関わりが深い学校です。校風は自由です。その中で、強い責任感と広い教養を身につけることが、高い人格形成に必要であるという校訓があります。高い人格形成とは、相手の心を読み取り、推し量り、思いやれるということです。それを「尊厳」と呼び、尊厳を守ることをとても大切にしている学校です。進学実績についても、全国最難関大学に多数合格しており、医学部医学科への進学も多い学校です。
【2025年度】

 国語算数社会理科総合
受験者平均点98.261.5133.4142.5435.6
合格者平均点117.187.9155.8163.4524.2
合格者最低点60.0%

受験者646人 合格者183人 実質倍率(受験者数÷合格者数)3.53倍
【2024年度】

 国語算数社会理科総合
受験者平均点83.895.3124.8116.7420.6
合格者平均点105.7131.7148.4136.9522.8
合格者最低点59.3%

受験者684人 合格者192人 実質倍率(受験者数÷合格者数)3.56倍

【2023年度】受験者平均109.3点、合格者平均130.2点、合格最低得点率62.1%
【2022年度】受験者平均115.3点、合格者平均138.0点、合格最低得点率67.8%

データから

わかりやすくグラフにしました。南山中女子部は、合格ラインについていわゆる隔年現象が起きているのがお分かりかでしょうか。そして、4教科総合の合格最低ラインと、国語の合格者平均の動きがほとんど同じです。

つまり、「国語が難しい年は全体的に難しい」ことが言えます。

国語が難しくうまく解けない場合は、全体の平均点も低くなるため他教科での挽回のチャンスも少なくなるかもしれません。いずれにしても、入試において国語が最初の科目であるため、ここで取っておくことはとても重要なことです。

論説文の傾向と対策

今年の論説文は、岩内章太郎の「〈私〉を取り戻す哲学」からの出典です。南山中女子部に出題される論説文は、哲学が根底にあり、現代において皆が当たり前にしているものに対し、「これでいいのか?」という疑問を投げかけているものが多く見られるように思います。
例えば、
2025年度は「SNSにおける情報との関係性」
2024年度は「ことばの慣用」
2023年は「インターネットでつながる現代での人間関係」
2021年は「これまでの知識重視の勉強」
といった具合です。
2025年度は、SNS時代における情報の飽食について書かれた論説文になります。
簡単に全体をまとめると、
「自由で退屈した日常がSNS上での無意味な情報集めに走らせ、退屈した精神の食傷によりその人のいる世界の意味が失われていく。つまり、それはニヒリズムと隣り合わせであり、生きる目標が欠けた人の特徴でもある」というような、大人でもまあまあ難解な文章です。

この手の文章に慣れる、というのがもちろん一番良い対策です。しかし、ただたくさん読み続けていれば良いのかというと、受験生は文章題だけにそうそう時間をかけられる訳ではありません。他にもやることはたくさんあります。
例えば和語や慣用句、漢字の暗記などは案外と時間をくう割に忘れやすく、反復が必要なものです。
もちろん、算数や理科、社会だってあります。

少し話がそれてしまいますが、中学受験における一般的な集団指導塾では、夏期講習後から国語の勉強時間が他教科に比べて減っていき、だいたい11月以降は文章題を授業以外であまりやらなくなります。
理由は簡単です。

国語は短期間で上がらないからです。
国語の自主学習の成果は、詰まるところその子の語彙力や読解力、思考力次第です。逆にいうとその子の持っている読解力以上の成果は上がらないのが国語という科目の性質なのです。
だからこそ夏以降で国語の成績が伸びずに、焦って弊塾のような国語専門塾を訪れるご家庭がいます。
ケースバイケースですが、残念ながらそういった場合、こちらでもお断りすることもあります。
なぜその子が国語が苦手かという分析に実は時間がかかるからなのです。下手をすると、数ヶ月かかることもあります。そしてその分析期間中に受験を迎えてしまい、十分な成果を出すことができないのです。

そして、時には長年しみついた読み方を捨てることもときには必要になります。
特に小学生だとこれが相当に難しいのです。
読解というのは、文章が読めない、というのは非常に根が深く、じっくりと語彙とロジックを自分の中に構築していき、文の取捨選択がようやくできてくるとようやくそこがスタートラインになる、という気の長い学習なのです。

南山中学女子部の入試における抽象的な内容の論説文は、比喩表現を抜いた筆者の主張をいかに過不足なく要約できるか、ということに間違いなく大きな差が生まれます。
2025年度の大問1論説文の問5は、そのまさに筆者の主張について内容を理解した上で70字で要約する記述問題でした。
これは、文章全体の筆者の主張を把握した上で、いかにそれをわかりやすい言葉でしかも制限字数内でまとめられるかがとても大切で、内容を把握する読解力だけでなく要約して記述する記述力が問われます。

要約にも一定のルールがありますが、このルールに沿って必要な字数で文章を要約するのはとても良い読解練習となります。難点は、保護者がチェックする際、要約文中にある言葉の要不要基準が分からないということでしょうか。「なんとなく重要そう」だと汎用性が全くなく、違う文章が出た際に生かされません。

しかし実は、この練習に最適なものがあるのです。それが弊塾における「100字要約」です。
特に論説文では、内容把握する読解力と、わかりやすく簡潔に人に伝える記述力向上における良い練習となるのです。